#高校世界史B 第5章 東ヨーロッパ世界の成立
山川出版社高校世界史B第5章東ヨーロッパ世界の成立より問題を抜粋しました。教科書と資料集等を読み込めば必ず解ける問題ばかりなのでぜひ挑戦してみて下さい。もし誤りがある場合はTwitterで教えていただけるとありがたいです。
ビュー数1347平均正答率62.2%全問正解率2.0%
正答率などの反映は少し遅れることがあります。
1. ビザンツ帝国の社会や宗教について述べた次の文の内、正しい内容のものは?
- 皇帝と教皇という政治と宗教において別々の権力者が並び立っていた。
- 首都のアンカラはヨーロッパ世界最大の貿易都市として中世を通じて栄えた。
- ゲルマン人の大移動の大きな影響を受けることなく西ヨーロッパに対して商業と貨幣経済の面で優位を保った。
正解は「ゲルマン人の大移動の影響を受けることなく~」です。ビザンツ帝国は西ヨーロッパと異なりゲルマン人の大移動で大きな影響を受けることなく経済的・文化的な面で優位に立ちました。その繁栄ぶりは高度な経済発展とギリシア正教。ギリシア古典文学が融合した独自の文化に表れています。ビザンツ皇帝はギリシア正教を支配する立場のため、政治と宗教で別々の権力者が並び立つことはありません。
2. 次の選択肢を起こった順に並び替えた場合、正しいものは?
正解は「B→A→C」です。ビザンツ帝国は興亡の起伏が激しい国家ですのでもしかしたら年代を完璧に覚えてなくてもイメージで溶ける問題かもしれません。ユスティニアヌス大帝は最盛期ですので6世紀中ごろ、そこから長期の征服戦争に疲弊した国力と異民族の侵入に対処するた7世紀ごろからテマ制がしかれました。第四回十字軍は13世紀初頭です。
3. ユスティニアヌス大帝について述べた次の文の内、誤った内容のものは?
- 726年に聖像禁止令を発布した。
- トリボニアヌスらにローマ法大全を編纂させた。
- 中国から養蚕技術を取り入れ絹織物産業の発展の基礎を築いた。
正解は「聖像禁止令を発布した。」です。726年の聖像禁止令はレオン3世によるものでユスティニアヌス大帝は死後になります。彼の他の事績としては、ヴァンダル王国や東ゴート王国といったゲルマン人国家を滅ぼしローマ帝国の領域を一時的に支配したこと、ハギア=ソフィア聖堂の建立を行ったこと、領域内のキリスト教異端者(コプト教会や単性論派)やユダヤ人を激しく弾圧した、といったことでしょうか。
4. 次の選択肢の内、軍管区制(テマ制)について正しく述べた文を過不足なく含むのものは? 2020法政大改
正解は「b c」です。軍管区制(テマ制)とは帝国をいくつかの軍管区に分けその長官に軍事・民政の双方の権限を与える地方制度のことです。大切なのはこの制度の下屯田兵制が組み込まれたということです。屯田兵制とは兵士に新しく耕地を開墾させ、戦時には軍隊に従事させながらも、平時には農業を行わせて自らを養わせる制度です。(世界史を学習する以上常識にしたいところ)選択肢の内、屯田兵制に関する記述は「c」ですね。
5. ビザンツ帝国の社会や文化について述べた次の文の内、正しい内容のものは?
- もともとはラテン語が公用語として用いられたが7世紀以降、ギリシア語が用いられた。
- 細密画(ミニアチュール)等によって代表されるビザンツ様式が確立した。
- ビザンツ様式の建築物としてはハギア=ソフィア聖堂やピサ大聖堂が知られる。
正解は「もともとはラテン語が公用語として用いられたが~」です。もともとはラテン語が公用語でしたが7世紀頃にはギリシア語が公用語として使われるようになりました。このことによってビザンツ帝国の文化はギリシア的になります。特にギリシア古典が盛んに研究されました。美術ではドームとモザイク画、イコンが知られます。細密画はイスラーム文化ですね。ピサ大聖堂はビザンツ様式ではなくロマネスク様式です。
6. キエフ公国について述べた次の文の内、正しい内容のものは?
- ウラディミル1世はローマ=カトリックに改宗し西方ラテン文化圏に入り最盛期を作り出した。
- 13世紀にバトゥ率いるモンゴル勢力に屈服しキプチャク=ハン国の支配を受けた。
- ロロを中心とするノルマン人の一派が建設したノヴゴロド国をルーツとする。
正解は「13世紀にバトゥ率いるモンゴル勢力に屈服し~」です。バトゥの遠征後、この地域は約240年間の長きにわたってモンゴル支配を受けることになりこの状態を「タタールのくびき」といいます。キエフ公国のルーツであるノヴゴロドの建国中心人物はリューリク、ウラディミル1世が改宗したのはギリシア正教です。
7. 次の説明文中の空欄に当てはまる最も適当な語句の組み合わせは?ただしBについては説明文下の選択肢より選んでください。
- A:ウラディミル3世 B:b C:イヴァン4世 D:マハーラージャ
- A:イヴァン3世 B:c C:レオン4世 D:ツァーリ
- A:イヴァン3世 B:a C:イヴァン4世 D:ツァーリ
正解は「A:イヴァン3世 B:a C:イヴァン4世 D:ツァーリ」です。高校の範囲ではキエフの大公はイヴァン3世と4世を覚えましょう。この国はローマ帝国の後継、つまりビザンツ帝国の後継国家を称したのでこの関係を考えれば【 B 】の選択肢は簡単に考えることができると思います。イヴァン3世が初めて用いイヴァン4世が公式に使用した称号はツァーリです。
8. ポーランド王国について述べた次の文の内、正しい内容のものは?
- 最盛期のカジミェシュ3世(大王)は中央集権化に励み、クラクフに大学を創設して文化も保護した。
- ギリシア正教に改宗しローマ=カトリックを受容したドイツ騎士団と激しく対立した。
- ドイツ騎士団の東方植民に対抗するためハンガリー王国からヤゲウォをむかえ同君連合国家(コモンウェルス)を組織した。
正解は「最盛期のカジミェシュ3世(大王)は中央集権化に励み~」です。中世ポーランドの歴史はマイナー分野かもしれませんが難関の私大ではこのように詳しく問われる可能性があり余裕がある人はぜひおさえておきたいところです。最盛期カジミェシュ大王死後のポーランドとコモンウェルスを組んだのはリトアニア、ポーランド人含む西スラブ人はローマ=カトリックに改宗しています。バルカン半島の南スラブ人と区別しましょう。
9. 次の選択肢の内、ブルガリア王国(帝国)について正しく述べた文を過不足なく含むのものは? 2020法政大改
正解は「a b c」です。この問題も難関私大受験者はぜひおさえておきたい分野のものですが正直言ってとても難しい問題だと思います。ただしにaとcの選択肢は教科書にしっかりと記述があるので教科書を読み込めれば決して解けない問題ということではないと思います。
10. 下は14世紀半ば~15世紀の東欧の地図である。ブダ、ペストの二都市が存在する【A】の国の名前と【A】の国の正しい内容の記述として最も適当な組み合わせは?
- 【A】:ポーランド王国 この国を建設したウラル語族のマジャール人はローマ=カトリックに改宗した。
- 【A】:ブルガリア帝国 この国を建設したアジア系のブルガール人はギリシア正教に改宗した。
- 【A】:ハンガリー王国 この国を建設したウラル語族のマジャール人はローマ=カトリックに改宗した。
正解は「【A】:ハンガリー王国 この国を建設したウラル語族のマジャール人はローマ=カトリックに改宗した。」です。まず最初にブダ、ペストの二都市を見て【A】はハンガリー(パンノニア)の地域での国家であると気づきたいところです。(ちなみに現在のハンガリーの首都はブダペスト)10世紀にオットー1世との戦いに敗れたマジャール人はこのパンノニアの地でハンガリー王国を建国しました。
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