劉禅が好きな者達に送る鎮魂歌 #三国志クイズ劉禅編

甘夫人が劉禅を妊娠中に北斗七星の夢を見た事で阿斗「斗ちゃん」と名付けたという設定が用いられています。ちなみに北斗と南斗は管輅の占いの逸話で登場しています。

張飛の妻である夏侯氏は、「魏志」夏侯淵伝の裴松之注（魏略）に登場する人物になります。幼い夏侯氏は山で薪拾いをしていた際に張飛が攫って妻とした女性ですが、夏侯氏は謎が多い女性です。「夏侯淵が自分の実の息子を犠牲にしてまで育てた弟の娘（遺児）に薪拾いなんてさせますか？」「劉禅に仕えた陳寿が張飛の正妻、かつ劉禅の二人の正妻の母親である夏侯氏に一言も触れてないとか考えられますか？」というお話です。

劉禅が激怒した逸話が残されている人物は李邈になります。李邈は「李氏の三龍（優秀な弟達）」の兄だとされている人物ですが、234年に五丈原で諸葛亮が没した際の逸話です。劉禅が悲しみ、喪に服していた時に「諸葛亮は反逆を企てておりましたから、亡くなってめでたいですね。」と劉禅に上奏しました。その結果劉禅の逆鱗に触れ、容赦なく処刑されています。

劉禅の娘を妻とした人物は諸葛瞻と関統になります。他には費禕の息子である費恭がいたりします。

1度目は223年に皇帝になった年に、2度目は諸葛亮が亡くなった年に恩赦を出しています。それ以降は蜀滅亡までは11回の恩赦が出されて、合計13回になります。ちなみに曹丕は1回の恩赦が、孫権は9回の恩赦が確認できます。補足ですが魏が成立した220年以降、呉が滅亡する280年までに一番恩赦を行ったのは孫晧の15回が最大です。正史記載の中で数え間違い＆記憶違いあったら申し訳ないです。

譙周が劉禅に降伏するように強く説得し、劉禅が降伏する事を決断します。そして郤正が降伏文を作成し、鄧艾に降伏した流れになります。樊建は国政の中心的人物の一人でしたが、ここでは関係ありません。

延煕二年（239年）に、劉禅は一振りの大剣を造りました。劉禅はその剣を山に奉納して山を鎮めます。山を往来する人達は、劉禅の奉納した場所がいつも光り輝いていたのを目撃していました。しかし蜀が滅亡すると、二度とその場所が分からなくなったというお話になります。こういう逸話から一般的に「鎮山剣」などで呼ばれています。「兼有」は劉備が造らせた伝説刀で、「萬人」は関羽が自ら造った伝説刀になります。

劉禅の治世下で使われた元号は建興と景耀になります。他に使われたものとして延熙・炎興といった元号もあります。残りの泰始ですが、司馬炎の治世下(265～274)で使われた元号になります。

陳寿が劉禅を「素絲無常、唯所染之」と評価しています。これは「白糸は何色にも染まる」という意味であり、周り次第で良くも悪くもなる人物であったと評価しています。「糸」「布」「地」とどれも似たような意味合いの言葉になるので、個人的にはどれでも良いと思っていますが、正確には「糸」となります。

劉禅は271年に天寿を全うして亡くなっていますが、劉禅の後継者となったのは六男である劉恂になります。劉璿は長男、劉瑤は次男となります。ちなみに劉禅の息子として有名なのは、蜀滅亡の際に自害した五男の劉諶かもしれません。永嘉の乱が発生した際には、劉禅の息子達も巻き添えをくらう形で皆殺しにされています。