殺人罪に関する問題 #刑法の殺人罪
ビュー数630平均正答率43.1%全問正解率0.0%
正答率などの反映は少し遅れることがあります。
1. Aは殺意をもってBの飲料水に硫黄を混ぜ殺害しようとし、これを飲んだBは下痢になったが硫黄に殺傷能力がない為死亡しなかった。Aの行為は殺人未遂罪に当る。
Aの方法でBを殺害することは科学的見地からすれば不可能である。
よってAは不能犯であり、殺人未遂罪は成立しない。
但し、傷害罪は肯定される。
2. Cは冗談で自分の殺害を依頼したところ、Dはこれを真実の依頼と誤信して殺害しようとしたが未遂に終わった。Dは刑法199条に規定する殺人罪の未遂犯として形責を負う。
Dは刑法202条に規定する嘱託殺人罪の未遂犯としての刑責を負う。
法定的符合説に基づく、抽象的事実の錯誤より、同質的で重なり合う2つの構成要件にまたがっている場合は、重なり合う限度で軽い方の罪の刑責を負う。
3. Eは殺意をもってFの首を絞めたが、Fが何でもするからと言って哀願したため哀れみを覚え殺害を中止した。Eの刑は必ず減軽又は免除される。
未遂犯のうちの着手未遂であり、自己の意思により中止しているため、中止未遂に当たる。
刑法第43条により、中止未遂は必ずその刑が減軽又は免除される。
4. Gは、Hの愛犬を殺すつもりで拳銃を発砲したが、犬には当たらずHに当たってHを即死させ、更に貫通した弾によりIが死亡した。GはHとIに対する殺人罪の刑責を負う。
Gの故意は犬を殺すことであり、これは器物損壊罪である。
HとIの死亡と犬の器物損壊とは、抽象的事実の錯誤で異質的で重なり合わない2個の構成要件にまたがっているため、HとIに対する過失致死罪と犬に対する器物損壊罪が成立し、観念的競合なる。
5. Jは、12歳のKの同意を得て性交し、途中Kが痛みで喚き叫び始めたので、この程度では死ぬことは無いと思い性交を続けた結果、Kは死亡した。Jの行為は殺害罪に当たる。
強制性交等罪は客体が13歳未満であれば同意があっても成立する。
しかしJはKの死亡について認識はあるが認容がないため、認識ある過失と判断される。
よってJに殺意は認められず、強制性交等致死罪が成立するに過ぎない。
6. Lは殺意をもって、Mとその同居する家族らを全員を殺害し、その隠蔽するため更にM宅に放火して全焼させた。Lは殺人罪と現住建造物等放火罪に問われ、併合罪となる。
LがMらを殺害した行為は殺人罪に該当する。
しかし、Mらを殺害した時点でM宅は既に現住建造物ではないため、非現住建造物等放火罪が成立し、殺害罪との併合罪となる。
7. Nは、Oを欺罔して心理的に追い詰め、自殺を慫慂して自殺させた。Nの行為は殺害罪の間接正犯となる。
是非の弁別能力を有しない責任無能力者をして犯罪を実行させることを間接正犯といい、正犯として処罰される。
Nの行為は間接正犯による殺人罪として認定される。
8. PとQは共謀してRの家に窃盗に入ったが、Rに発見されたことによりPは逃げ、Qは殺意をもってRを殺害した。Pにも強盗殺人罪が適用される。
共犯の錯誤について、共謀した犯罪と結果の犯罪が異なる構成要件間の錯誤であれば、故意は認められないが、重なり合う範囲内で共同正犯が成立する。
よってQに強盗殺人罪が適用されるのは当然であるが、Pには窃盗罪が成立するに過ぎない。
9. Sは殺意をもってTを逮捕監禁し殺害した。Sに適用されるのは殺人罪だけである。
判例によれば、全体が殺人罪を構成し、逮捕監禁致死罪は適用されない。
なお、逮捕監禁の後に別個の殺害行為が行われた場合は、両罪が成立し併合罪となる。
10. Uは殺意をもってVを銃撃したがその時点で死亡しなかった。その後銃創に基づく空腸穿孔を通し腸腔内に放射状菌が漏出し放射状菌病を起し死亡した。Uは殺人罪の刑責を負う
放射状菌による感染例は日常の経験上極めて稀であるため、銃創を加えた行為と死亡との間に因果関係がなく、殺人未遂罪が成立するにとどまる。
殺人罪に関する問題 #刑法の殺人罪
0 / 10点
あなたの正答率は86.4%で、平均の43.1%よりも上です!
クイズをやり直す
都道府県のご当地クイズ
人気急上昇中
お絵描き診断
「死」の漢字を書いてわかるサイコパス度
もっとクイズを見る