テーマごとに鉄道知識をチェック！ #勝手に鉄道検定：上越新幹線

東京駅～新大阪駅を結び、N700Sなどの車両も活躍する路線は「東海道新幹線」です。上越新幹線は、東京駅～新潟駅を結ぶ路線です。厳密には大宮駅～新潟駅であり、東京駅～大宮駅は東北新幹線です。車両はE2系、E7系の他に2階建て車両のE4系（通称：Max）が活躍します。ちなみに、MaxはMulti Amenity eXpressの略です。全車両に1階席と2階席があるMaxは大量輸送を実現する反面、最高速度は他の新幹線車両と比べて遅めです（後の問題にて解説）。Maxは2021年の秋ごろに引退予定です。

まず、「上越」には2種類あります。上越妙高駅（北陸新幹線）は、上越地方に位置します。地方としての「上越」は、新潟県（旧・越後国）内を京都に近い方から上越・中越・下越と3つに分けたことに由来します。一方、新幹線や在来線の路線名としての「上越」は、2つの旧国名の頭文字に由来します。群馬県（旧・上野国）と新潟県（旧・越後国）を結ぶので、上越です。上野の読み方は、「こうずけ」や「かみつけ」などいくつかあります。上野国は上毛野国から改称されたもので、上毛高原駅や上毛かるたの「上毛」はこれに由来します。

「現美新幹線」は、主に上越新幹線の新潟県部分である越後湯沢駅～新潟駅の区間を走りました。11号車～16号車の全ての号車で、1両ごとに違った芸術作品が展示されていました。定期運行は2020年12月19日に終了し、12月20日には旅行専用商品としてラストランを迎えました。現在、現美新幹線で使われた座席やソファは新潟駅や浦佐駅などで展示されています。一部の駅では実際に座れるそうです。「あめつち」はJR山陰本線の主に鳥取駅～出雲市駅を、「指宿のたまて箱」は鹿児島中央駅～指宿駅を走る観光列車です。

燕三条駅には、上越新幹線とJR弥彦線が通ります。弥彦線は、東三条駅～弥彦駅を結ぶ路線です。終点の弥彦駅は、弥彦神社の最寄り駅です。弥彦神社に最も近い新幹線の駅が燕三条駅であり、駅構内には弥彦神社の大鳥居をモチーフにしたモニュメントもあります。ちなみに、弥彦神社は正式には彌彦神社（いやひこじんじゃ）といいます。燕三条駅は三条市に、三条燕ICは燕市に位置します。燕三条駅の駅長室は三条市ですが、新幹線・弥彦線ともにホームの一部は燕市の部分にあります。ちなみに、「燕三条市」という自治体は実在しません。

長岡駅には、上越新幹線とJR信越本線が通ります。長岡まつり大花火大会の開催日程は曜日で決めるのではなく、毎年8月の2日・3日です。これは、1945年8月1日の長岡空襲で亡くなった方を慰霊したことが起源だからです。長岡花火は、前問で登場した「世界最速の芸術鑑賞」の車両外装にもデザインされています。長岡駅にはJR上越線の列車も発着しますが、厳密には長岡駅はJR上越線（高崎駅～宮内駅）の区間に含まれません。日本三大花火大会に数えられる他の開催地（大曲、土浦）も、長岡と同じくJR東日本管内です。

2021年4月現在、上越新幹線最速の列車「とき311号」は1時間36分で東京駅～新潟駅を結びます。途中の停車駅は、「大宮駅」のみです。ちなみに、新潟発東京行の「とき312号」も途中停車駅は大宮駅のみで、所要時間は1時間38分です。大宮駅には上越新幹線の他にも東北新幹線や北陸新幹線などの列車が発着しますが、それら全てを含めて大宮駅には全ての列車が停車します。かつては東京駅～新潟駅をノンストップで走る「Maxとき313号」「Maxとき314号」がありましたが、2013年3月で運行を終了しました。

2021年4月時点で上越新幹線を走る列車の愛称は、「とき」「たにがわ」「Maxとき」「Maxたにがわ」です。「とき」「Maxとき」は東京駅～新潟駅、「たにがわ」「Maxたにがわ」は東京駅～越後湯沢駅・ガーラ湯沢駅を結びます。前問の解説にもある通り、Maxとは2階建て車両の通称です。「とき」より「Maxとき」の方が速いイメージもあるかもしれませんが、愛称と速達性の間に相関はありません。かつては「あさひ」も走りましたが、北陸新幹線「あさま」との混乱を招くなどの理由で「とき」に改称されました。

「From AQUA」は、かつて「大清水（おおしみず）」の名で販売されていました。当初は、大清水（だいしみず）トンネル掘削時の湧水が融雪などの用途で使われました。しかし、作業員の間では飲むと美味しいと話題になっていたそうです。「おいしい水」や「濁ってない」などの意を込めて、「だいしみず」ではなく「おおしみず」として商品化しました。上毛高原駅～越後湯沢駅間には、大清水トンネルの他に月夜野トンネルなどがあります。積雪対策などから他のトンネルとの間は覆われており、この区間では外の景色は見えません。

上越新幹線の最高速度は、E4系（Max）に合わせて240km/hです。2021年4月現在は、最高速度が最も遅い新幹線の路線です。しかし、上越新幹線は直線部分も多くスピードが出しやすいです。過去には高速試験車両が走ったこともあります。また、東海道新幹線の最高速度が270km/hだった時代には上越新幹線を275km/hで走る列車があり、当時は最速の新幹線でした（現在、東海道新幹線の最高速度は285km/h）。Maxの引退後、上越新幹線の最高速度は275km/hに引き上げられる予定です。

滋賀県の米原駅近くにある風洞技術センターには、高速試験車両「STAR21」「300X」「WIN350」が保存されています。STAR21はJR東日本の高速試験車両であり、上越新幹線の燕三条駅付近で最高速度425km/hを記録しました。JR東海の300Xは最高速度が443km/h、JR西日本のWIN350は最高速度が350km/hです。ちなみに、風洞（ふうどう）は地名ではなく空気抵抗や走行時の騒音などのデータを計測する実験施設です。世界トップクラスの規模や性能を誇る鉄道用風洞が、米原にあります。