本当の福岡弁が分かるかな？ #真・福岡弁クイズ

『福岡弁』は、旧福岡藩の武家言葉で特に敬語表現が発達した方言です。 今では筑前地方の広域に博多弁が浸透していますが、かつては福岡藩の城下町や周辺郡部で使われていました。 元々話者が少ないですが、今でも旧家で受け継がれています。 博多弁では足りない敬語表現を補う為に、福岡弁の言葉の一部がしばしば転用される事もあります。 福岡弁と博多弁は、ちょうど江戸言葉の山手言葉と下町言葉の様な違いがあります。

時代劇でもお馴染み「ござる」は、武家言葉である福岡弁の基本となる言葉です。 「ござる／ござあ／ござらん／ござれん／ござっしょ／ござっせん」「ごじゃい」「ござす」、より丁寧な「ござっしゃる」等の活用形があります。これより軽い敬語では「なる」「なざる」「しゃる」「だす」「まっせん／まっしょー」等があります。 例）田中ざんナ天神さい行ッテ御座ル。（※"ざん"は誤字ではなく敬称）

福岡弁で「おいでない」の”ない”は否定の意味ではなく、「～なさい」の意味で「～ない」と言う言葉を使います。 例）来ちゃんない（来ておくれ）。来ない（来ぬか）。見てんない（見てごらん）。椅子にお掛けない（椅子にお掛けなさい）。

打消しの推量「まい」と同じ用法で、「～めい」は江戸言葉でも使われる助動詞です。 博多弁で使われている「いかんめい」の様な「～んめい」の言葉は、福岡弁「～めい」の誤用が浸透しているので、福岡弁の「～めい」が正しく使える人はかなりのツウです。 例）ありめい。されめい。なりめい。知りめい。でけめい。つまりめい。等々

福岡弁では「ん」抜きの「ばって」を使います。 漢字で「雖」（いえども）と書き、文字通り「のに／けれども／だけども」の意味で使います。なお、「ばってん」は博多弁です。

漢字で「御覧（ごらう）ぢやい」と書き、尊敬語の「御覧ぜよ」と同じ”ごらんなさい”の意味です。 これより軽い敬語では「～なる」などがあります。 例）あればごろうじゃい（あれを御覧なさい）。手ば出してごろうじゃい（手を出して御覧なさい）。

ものを尋ねたりお願いする時に使う敬語表現です。 漢字で「遣あさい」と書き、藩祖黒田如水公ゆかりの岡山弁由来の方言です。 ちなみに、博多弁でも使われますが、博多弁には同じ意味の「つかーざっしぇ」と言う言葉もありますが、現代では殆ど耳にしません。 例）教えてつかーさい。食べてつかーさい。

江戸言葉の「ぜ」と同じ用法で「～よ／～だよ」ぐらいの意味です。 元々は終助詞「ぞ」に「え」を加えた「ぞえ」から「ぜヱ」更に転訛した言葉。 昔の人は、福岡と博多の方言の違いを『福岡のもんなァ、ゼーゼー云う故、博多のもんが笑うぜー。博多のもんなあ、べーべーいふけん、福岡のもんが笑うべー。』と言い表しました。 ちなみに、博多弁の「ばい」は「ベー」が転訛した言葉だとか…。 例）知っとるぜ。また遊ぼうぜ。

少年を「とんとん（殿々）」少女を「しゃんしゃん（様々）」と呼びます。 なんだかパンダの名前のようですね。

「がっしゃい」は、福岡弁が『がっしゃい言葉』とも呼ばれる所以の特徴的な言葉で語尾に添えて使います。 活用形として「がっしゃる／がっしゃらん／がっしゃれん／がっしゃー」があります。尚、「しんしゃい」は博多弁です。 例）来てがっしゃい（来て御覧なさい）。見てがっしゃい（見て御覧なさい）。何してがっしゃーな（何をして御座りますか）。