運命は理想と程遠い物である #うつかいクイズ

「僕は烏天狗だったんだ。」

「根本からバキッ、て音がしたのを覚えてるよ。それっきり、羽は動かなくなったんだ。だから自分で切り落としたんだ。」

「柄にもなくお兄さんは寂しがりだったんだ…だから、たくさん友達が欲しかった。寂しくならないように。」

「人は優しくすればするほど、お兄さんに近づいてくると思ってたんだ。」

「まさか、一人が首謀者になってお兄さんを独りにさせるなんて思わなかったよ。これだから人間は。まぁ、今はそんな家畜と同じ身分を持っているんだけどね。腹の底が煮えくり返りそうだよ！」

「追放されちゃったんだ。遠い山にね。食料が無かったから、近くの町に降りてきたんだ。」

「そこに君がいた。とても幼かったよ。あぁ、あの異色の目がすっごく可愛かったなぁ…今思えば、あれは運命の出会いってやつなのかな…」

「店に来たお兄さんの事をそう呼んだんだ。店の中は君一人だった。おにーさんだってさ、おかしいね。自分の家族を把握できてなかったのかな？」

『俺は連れて帰ってしまったんだ。山に、あの子を。』

「胸が痛いよ。罪悪感で胸が締め付けられるんだ。」